酪農経営者ではない、牛群管理のプロもいる
牧場長が現場の仕事を担う
家族経営の酪農家ではなく、飼養頭数が200頭以上にもなるメガファームやギガファームには、たいてい牛の飼養全般を管理したり、他のスタッフを取りまとめて指揮をしたりする「牧場長」がいます。牧場長が現場の仕事を担うので、経営者は外部折衝や労務管理など、経営実務に専念できるわけです。
牧場長は、牧場経営者の血縁者である場合もありますが、多くの場合は外部から雇用されています。サラリーマン酪農業者で管理職、というと分かりやすいでしょうか。最初に就職した牧場で働き続け、部門主任などを経て牧場長に昇進する人もいれば、複数の牧場で経験を積み、牧場長として就任する人もいます。
牧場長は、牧場の責任者
牧場長の下には、搾乳部門、育成牛管理部門、仔牛哺育部門など、各部門の主任が配置され、さらにその配下に一般スタッフがいるという構図が多いようです。牧場長はその名のとおり、牧場の責任者なのです。
とうぜん、牧場長の方針や取り組みによって、牧場の業績やカラーも変わります。たとえば、牛舎内の掃除を徹底して乳房炎の牛を減らしたり、新しい飼料を試したりするなどして、生乳出荷量を増加させる牧場長もいるそうです。
牧場長は「ハーズマン(牛群管理者)」と呼ばれることも
人材育成や働きやすい環境づくりも牧場長の手腕にかかっていますし、飼料会社の担当や獣医師などとのつき合いから利益に繋がる情報を得ることも牧場長の役目です。
このように牧場長とは、牛群管理の技術だけではなく、リーダーシップやマネジメント力、コミュニケーション力など、さまざまな能力が問われる職務です。