飼料設計者(しりょうせっけいしゃ)| 牛に必要な栄養量を計算し、飼料をプランニングする専門家もいる

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牧場主が抱える悩みの大半は、飼料で解決できるらしい

よい食生活を送り健康を守るのは牛も人も同じ

乳牛も人間と同じで、よい食生活を送らなければ健康を守ることはできませんし、よい仕事もできません。だから酪農家はみな、飼料の配分や量をあれこれ検討しながら給餌をしています。

乳牛の給餌はだいたい1日2回。そのつど牧草サイレージや濃厚飼料(配合飼料)を大量に運んできてザーッと配っていくなど、一見おおざっぱに見えますが…。じつは何をどれだけ食べさせるかはち密に計算されています。

近年は飼料を設計する専門家が

ひと昔前まではどこの牧場でも、牛群ごとの必要栄養量の算出や飼料配分の決定は牧場主や牧場長が行っていました。しかし近年は飼料を設計する専門家が出てきて、より精度の高い飼料設計を可能にしています。こうした家畜の栄養士は「飼料設計者」と呼ばれ、たいていは飼料会社のコンサルタントや獣医師が担っています。
その一方で、新たに出てきた飼料設計ソフトを使い、自分でチャレンジする若手酪農家も増えているようです。

「飼料で大半のことが解決できる」

飼料の専門家が頼られ、飼料設計のソフトが開発される昨今。このことからも、牧場経営にとって飼料がいかに重要であるかがうかがえます。
牛を健康にしたい。乳量を増やしたい。乳質を改善したい。産後の肥立ちをよくしたい。丈夫な仔牛にしたい…。こうした牧場主の願いは、「飼料で大半を解決できる」といわれるほどですから。写真は、ある牛舎の朝食。牧草サイレージと濃厚飼料で、しっかりと栄養管理されています。

おう盛に食べてくれたらガッツポーズ!

ある飼料会社の設計者がこんな話をしてくれました。
「どんなに自信を持って診断、設計をしても、牛が好んでたくさん食べてくれなければ意味がない。だから新しい飼料を給餌する初日は気になって、会社へ行く前に顧客の牧場へ行って牛たちの食事風景を観察させてもらいます。

目の色を変えておう盛に食べてくれたらガッツポーズですよ。(笑)
よい飼料設計のために必要なことは、酪農家さんの声をたくさん聴くことと、牛の食事をたくさん見ることですかね」

酪農業界には、牛の食生活を支える職業人もいます。