ここは北海道東部に位置する厚岸(あっけし)町、齋藤泰広さん(53)の牧場です。飼養頭数は約90頭で、そのうち搾乳頭数は約50頭。搾乳中の牛は、朝の搾乳を終えたあと牛舎から出され、敷地内の運動場に移動します。そして夕方の搾乳まで、木陰で休んだり歩いたり、自由に過ごします。
 
繋ぎ牛舎(※)に繋がれてばかりいては、ストレスが溜まって乳量が減るかもしれない。それに陽差しを浴びて外の空気を吸って、適度な運動をしたほうが健康に良いだろう。
齋藤さんはそう考え、悪天候の日以外は毎日、外の運動場に50頭の牛を出しています。晴れてさえいれば、氷点下になる真冬でもこの習慣を変えません。
 
運動場内には牧草ロールが置かれ、“お腹がすいたら、好きな時に好きなだけお食べ”という気ままスタイル。牛たちにとって昼間の屋外休息はやすらぎの時間です。
 
牛たちには理想的な毎日でしょうが、50頭の牛を移動させるからには、その分の労力と時間の負担が毎日、齋藤さんにかかります。でも、これが齋藤牧場のこだわり。
 

夫婦2人にちょうど良い頭数だからできることです。うちはね、気持ちや時間に余裕を持って、楽に牛を飼っていく考えなんです。だから、酪農家というより“楽農”家。

 
妻の恵子さん(51)がカラッと言います。
 
あくせくしない、“楽農”家が経営方針ですか。
齋藤夫妻はいつも一頭一頭に目を配り、声をかけ、体調に変わりはないか、発情は見られないかと観察を怠りません。寝わらもこまめに取り替えられ、手作業でふんわりとしたベッドに整えられています。これは気持ち良さそう。
 
ほかにも、余裕があるからこそ、牛たちが得られる利点はありますか?
 

そうねえ。悪いことをしても、怒られにくいことかな(笑)

 
えっ? 牛って、悪さなんかするんですか?
 

するする。柵を壊して脱走するとかね

 
脱走!?
 

そう。外に出たら何か美味しいものがあるんじゃないか。何か楽しいことがあるんじゃないか、と思って脱走するんだろうね。でも、遠くまで逃げるわけではないの。柵の外にちょっとだけ出て、“ふふっ。出てやったわよ”って、自慢げな顔をして私らの方を見てる

 
搾乳中の牛は、2歳半から6歳くらいが大半です。人間でいえば、10代半ばから20歳代の若い世代の女子集団ですから…。同じことの繰り返しに飽きて、時には脱走というお遊びをしたくなるのも、分かる気がします。
 
それでも叱られず、小言程度で許してもらえるのだから、牛たちもまた牧場主と同様に、“楽”な毎日なのでしょう。
 
 

お話を伺いました
【北海道厚岸郡厚岸町】齋藤牧場  飼養頭数/90頭

おおらかに飼養するせいか、斎藤牧場の牛たちは長寿で8~9回は子牛を産みます。
これは一般の2倍以上。

 

※撮影や取材は牧場の許可を得て行っています。
感染や事故予防のため、無許可で牧場敷地内へ立ち入ることはご遠慮ください。

 

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