チーズづくりの副産物、ホエイという水分

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たまに耳にする「ホエイ」とは、生乳が分離した後の水分のこと。

出涸らし?とあなどるなかれ!牛乳の栄養素がぎっしり

乳酸菌で発酵させた生乳に「レンネット」と呼ばれる酵素を加えて豆腐のように固め、そこから水分を除いてチーズができますが、このプロセスで出る副産物が、生乳に含まれる水分(ホエイ・ホエー)です。牛乳は約88%が水分ですから、チーズをつくる過程で8割以上がホエイになります。チーズをつくるのに約10~14倍もの牛乳が必要といわれていますから、大量のホエイができることに!
しかし残念ながら、かつてはチーズづくりの出涸らしとして棄てられることがほとんどだったようです。

副産物か、廃棄物か。ホエイ再利用には大きな可能性が

リコッタチーズはチーズづくりでできたホエイでつくられています。リコッタとは、イタリア語で“再び煮る゛という意味で、チーズづくりで出たホエイをさらに煮込み、そこから固形成分を濾してつくります。普通のチーズより脂肪分が少ないため、さっぱりしたおいしさが魅力です。
近年の研究では、ホエイに乳糖や水溶性タンパク質などの牛乳の豊富な栄養素が溶け込んでいることがわかっています。そのためプロテインの原料として再利用されたり、栄養のアクセントとして加工食品にプラスされたり、家畜の餌などにも利用されています。飼料にホエイを摂らせた「ホエイ豚」などは、ブランド豚としてよく知られていますね。

ご家庭でも確認できる「ホエイ」

ご家庭では、ヨーグルトの水分を切った「水切りヨーグルト(ヨーグルトチーズ)」の水分もホエイです。温めた牛乳に酸の成分を加えてかたまった、牛乳豆腐や手作りカッテージチーズを作った後の、残りの水分もホエイですね。
ここまで読むと、棄てるには惜しいホエイの使いみち、知りたいですよね。味もにおいもなく栄養だけがあるので、調理中に加える水分として煮汁や出汁、スープに加えたり、メニューによっては炊飯に加える場合もあります。もっと手軽なのはオレンジジュースなどの飲み物と混ぜてそのまま飲むこと。ぜひお試しください!