「濃すぎてわが家の牛乳が苦手」とは、なんともうらやましい話
【聞いてみた】
酪農家さんでは自家の牛乳を、どのように飲んでいるのか?気になったので酪農家の奥さんに聞いてみました。
「どの酪農家にも牛乳用のお鍋があって、搾乳した生乳を家に持ってきてそのお鍋で沸かしているね。沸かすのは殺菌するため。そしてコンロの上に置いて粗熱が取れたら、ポットやピッチャーなどに移し替えて冷蔵庫に入れておくの」
1度にどれくらい沸かしますか?
「うちは家族5人分で4リットルくらいかな。酪農家の牛乳は脂肪圧搾をしていないせいなのか、市販の牛乳よりも傷みやすいの。だから1日で飲み切れる分だけを自宅に持ってきているよ」
5人家族で1日に4リットルは相当多いと思います。
「高校生の娘が水代わりにゴクゴク飲んでいるからね。あの子だけで1日2リットル近く飲んでいるんじゃないかな。90歳のおじいちゃんも、毎食後はお茶ではなくて牛乳。大きなお鍋で沸かして、余りそうだなと思った日は、お料理に使ったりパンを焼いたりして使いきるよ」
出ました! 水代わりに牛乳! これは酪農家の常識なのでしょうか。
「いろいろだよ。「水道の水は使ったら水道料金がかかるけど、搾った牛乳はタダだし体にもいいから牛乳を飲む」って言っている酪農家もいれば、「牛乳は牛乳、水は水。のどが渇いたら水や麦茶を飲む」という酪農家もいるよ」
ほかの酪農家さんにも聞いてみましょう。
「私はサラッとしたのど越しが好きなのだけど、うちの牛乳は濃いせいか飲みにくくて苦手なの。だから私は牛乳をスーパーで買って飲んでいる。酪農家としては珍しい例だと思う」
と照れたように告白してくれたのは、ある奥さん。
そしてこんな牧場主も。
「うちの家族はみんな牛乳を1日中ゴクゴク飲んでいるね。でも僕はそんなに飲まない。理由? だってビールの方が好きだもん」
このようにレアケースをのぞいて、ほとんどの酪農家ファミリーでは自家の牛乳を自宅で沸かして飲んでいて、「水がわりに牛乳」という都市伝説(?)も1部で事実が認められました。
しかし「濃すぎてわが家の牛乳が苦手」とは、なんともうらやましい話です。