食品残さ等を利用して作る飼料、【エコフィード】は地域色豊か
近所の畑農家から規格外のキュウリなど、旬の地場産野菜をもらって食べている牛もいます

~循環型農業を助ける理想の飼料。でも開発製造は難しいらしい~

「eco」はエコロジカル、「feed」は飼料の意味。「エコフィード」とは、食品残さ等を利用して製造された家畜飼料のことです。日本は2001年に施行された食品リサイクル法に沿い、食品残さを飼料原料の一部として利用することを推奨してきました。
 
まだ多くはありませんが、エコフィードを製造する飼料製造会社やTMRセンターが日本各地にでてきています。エコフィードを食べた牛の尿は堆肥となり、牧草地や農産物の畑に戻る。そしてそこからまた食品が生まれる…。エコフィードは循環型農業の要素としても注目されています。
 
また畜産業にとって飼料費は経営コストの3~6割を占める大きな支出。しかも輸入の飼料原料が上昇し続けて牧場経営を圧迫するので、食品残さで代替えし、少しでも飼料コストを下げて畜産農家の経営を助けよう。国内の食品残さを使えば、飼料自給率も上がるし…。と、そんな国のねらいもあるようです。
 
とはいえ、「エコフィード」製造は簡単なことではないようです。飼料製造会社には随時、「うちの食品残さを利用できないか?」と食品関連会社から問い合わせが来るそうです。しかしそれらが必ずしも飼料になるとは限りません。乳牛に合う食品残さとなるとさらに限定されます。
 
安全性や成分分析、栄養調整を重ねながら数年試行錯誤をしても、うまく発酵せず日の目を見ない場合もあります。また良い状態の飼料になっても嗜好性が悪ければだめ。牛に喜んで食べてもらえてやっと製品化となります。
 
北海道のある飼料会社では、ビール製造時に出る澱かすやニンジンジュースのかす、ポテトチップス工場から出るジャガイモの皮等を利用して発酵エコフィードを製造しています。「これは嗜好性もよく牛がよく食べます。食べ始めてから牛の健康状態は良好で、乳量も上がったと聞いています。研究開発には時間もコストも人員もかかり大変です。ですが循環型農業と農家さんに貢献できることは喜びです」と代表者。
 
青森県ではリンゴのエコフィードが製造されているとか。北海道のジャガイモ皮もしかり。その地域ごと特産物の残さが飼料になっていることもおもしろいですね。そしてその土地の旬で作った飼料は、きっと風味も栄養も生きていておいしいはず。
 
これらは飼料会社やTMRセンターが製造する製品としてのエコフィードですが、もっと小規模で簡易的なエコフィードもあります。それは、牧場が知り合いの畑作農家から出荷できない規格外の野菜を譲り受けたり、近所の豆腐屋さんからおからを提供してもらったりする例。生野菜は粉砕機で細かくし、濃厚飼料に混ぜて給餌しているようです
 
おそらく栄養分析などは省略しているのでしょうが、これもエコフィードであり、地産地消の循環型農業といえます。本来廃棄されるものが活用されて、命を育み、食を生む輪が日本各地にあります。
 

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