アレの替わりにコレ使う?“置き換えできる”乳製品、もっと活用しよう!

摂取した栄養素、毎日計算できますか?

体を維持するのに必要な成分は、たんぱく質、炭水化物、脂質だけではありません。テレビCMなどで「栄養バランスの維持は難しい」といいますが、サプリメントなどの補助食品がどのように自分に必要かを考えるのも難しいものです。また、錠剤などでは必要な栄養素以外の加工成分も体内に取り込むことになります。栄養素はそれぞれ助け合って体に作用するもの、食品から摂ることをまずは考えましょう。

“食べる工夫”はまさに“生活習慣”のひとつ

人はみな等しく同じように年を取り、少しずつ代謝が落ちていきます。つまり栄養を消化・吸収する力もじょじょに落ちていくので、偏食したまま年齢を重ね体調を崩してから悔やんでも、食べるために必要な気力・体力が出てこないこともあります。
健康なうちから、よく眠り、ストレスをためず、バランスの良い食生活を習慣づけることが大切です。

乳製品はすべて牛乳(生乳)が原料です

牛乳の成分はおもに「水分」、良質なアミノ酸に変わる「たんぱく質」、「脂質」、整腸作用に必要な「炭水化物(糖)」、「ビタミン・ミネラル」です。
水分と脂質が分離せずに混じりあった状態で、手軽に摂れる。栄養素密度が高く、使わないのはソンです。牛乳の栄養的メリットをもらさず活用するために成分や特徴に特化し、保存しやすくさせたものが乳製品です。
法令で厳しく定められた安心の乳製品をぜひ健康維持管理にお役立てください!

牛乳からみた乳製品の栄養成分相関図 その1

牛乳からみた乳製品の栄養成分相関図

ドライで長持ち:粉乳・スキムミルク

牛乳は開封してから1週間程度で飲み切らねば劣化するため、1本飲み切れないから、と買わない人がいます。
牛乳から水分を抜いた「スキムミルク」は、かつて脱脂粉乳とも呼ばれ、スーパーで買えます。常温で保存でき、消費期限も長いため扱いやすく、乾燥品(ドライ)のため水溶成分が牛乳より減りますが、たんぱく質は多く残存しています。他の食品に添加されている「ミルクプロテイン」はこの粉乳をさす場合がほとんどです。

「粉乳」というと水に溶かして飲むことを考えがちですが、それなら牛乳のままでいいのです。ここは粉体の特長を活かしましょう。
パンやお好み焼き、ナン生地に混ぜる
揚げ物の衣に混ぜる
餃子やシュウマイ、ハンバーグなどひき肉料理のタネに混ぜる
ほんのりした甘みと味わいがプラスされ、たんぱく質を多く摂りたい人には特に有効です。

粉乳は乾物と同じで品質管理がしやすいため、皆さんがよく食べるヨーグルトの製造に添加しているメーカーもあります。
ちなみに「育児用の粉ミルク」とは成分が異なり別モノです。

水っぽくならずにペースト状にします:(生)クリーム

クリームとは牛乳の乳脂肪を集めて濃厚にしたものです。乳脂肪によって舌触りのなめらかさとコクがありますが、何も加えなくても空気を混ぜ込むことで液体から個体へとかたさを調整できる珍しい食品です。
植物性の油脂が混ざっている製品もありますが、ほんらいクリームと呼べるのは乳脂肪100%のみです。「生」クリームという呼称は、その昔冷蔵品だという認識を深めるためになんとなくつけられたようで、クリームとは別の「生」なものが存在するわけではありません。

わざわざカロリーを多く摂りたい人はいないと思われがちですが、クリームでも牛乳の半量はカルシウムがとれますので、闘病などで体力を落とした人や、一度にたくさん食べられない人、食が細いお年寄りに有効です。
牛乳より調味料をのばすのに向いています。
味噌、マヨネーズ、ケチャップ、マスタード、わさび、酒かすなど。
つぶしたゆで卵や、いも、かぼちゃ、小豆系に混ぜると水っぽくならずにしっとりペースト状になります。

均質化していない「ノンホモ牛乳」の上にたまるのも同じクリームです。
生クリーム入りのカフェオレなどは、牛乳で作るよりもリッチな味わいになります。

発酵によってさわやかに:プレーンヨーグルト

プレーンヨーグルトとは、乳酸菌やビフィズス菌などで発酵させることで、乳たんぱくを消化しやすいやわらかいカードに変質させたものです。幼児や高齢者の栄養補給にも優れています。
乳たんぱくは「カゼイン」と「ホエイ」に分かれ、ヨーグルトを揺らした時に出る上澄みや水切りしたときに出る水分は、ホエイというたんぱく質です。ホエイの成分は生物価が高く、たんぱく質の中でも腎の排泄に負担がかかりにくいと言われていますが、貴重な栄養源なので食べるようにしましょう。
水切りしたヨーグルトは水分が抜け、かたさを増すので、上に紹介したようにクリームの替わりに調味料に混ぜたりできます。

よくいわれる「菌との相性」はさほど固執せずとも、おいしいと感じるものをコツコツ食べ続けるのがよいです。牛乳の炭水化物(乳糖)は体内にいる腸内細菌の発育を助けるので、忙しいストレスフルな人や、ヨーグルト実はあんまり好きじゃないよ、という人は、牛乳を飲むだけでも効果的な場合があります。

特定の菌に特化した品名などが付くカップ入りヨーグルトは、甘みを足してある場合が多く、ここでいうプレーンヨーグルトとは成分が違う場合が多いです。食べ残した分を料理に使おうと思ってもちょっと勝手が違うでしょう。また、飲むヨーグルトも飲みやすくするために甘味が添加されています。
乳酸菌飲料(ヤクルト等)は「乳製品の成分規格等に関する省令」で定められていますが、そもそも乳製品ではありませんので、乳の持つ栄養素は摂れません。

 

牛乳からみた乳製品の栄養成分相関図 その2

牛乳からみた乳製品の栄養成分相関図

持ち歩けて便利:プロセスチーズ

酵素などで発酵させて固化したプロセスチーズは発酵がとまっており「ナチュラルチーズ」とは別モノです。チーズの種類にもよりますが、チーズひとつに10~14倍の牛乳が使われるため栄養素はみっちりつまっています。
長い会議の途中で休憩時に
食間、運動後の空腹時に
育ち盛りの子供の部活の前後に
個包装されているのものも多く、持ち歩けるのが便利でおすすめです。

ひき肉だねの真ん中に入れたりしますが、昔から北海道ではおにぎりダネにします。(おかかじょうゆと合います)
じゃがいもやさつまいも、かぼちゃのサラダに具として混ぜこむ
発酵食品同士なので、納豆やキムチ、味噌などとも相性良し

砕かれていて冷凍もOK:シュレッドチーズ

砕かれて切片状になっているのでプロセスチーズよりも小さく、料理にはいろいろ使いやすいです。小分けにして冷凍し、冷凍のまま料理に投入して加熱すればチーズのコクがプラスされます。
野菜炒めに足す
そのままスープに入れる
パスタ料理のトッピングに
ホワイトソースに混ぜてさらに濃厚に
お好み焼きやたこ焼きの生地に混ぜる
カップめんに足す
納豆やキムチに追加したり、味噌汁などの発酵食品とも相性が良いです。

プラスチックの筒に入ったパルメザンチーズは、粒でパラパラとほぐれたままにするため、セルロース(結着防止剤)をまとっています。

天使と悪魔が一度にささやく:バター

牛乳からバターを作ると5%にしかならないほど濃縮されています。加熱したときの独特ないい匂いは、乳脂肪が理由です。食用油脂のなかでは最も消化が良くエネルギーとして使われやすいため、高齢者の栄養補給におすすめです。
常温に置き、柔らかくなったところを泡だて器などで力いっぱいペーストにすれば粘りがでて「かためのクリーム」に近づきます。
発酵バターは、クリームを乳酸菌で発酵させたものが多いので、このあたりは「兄弟」のような関係ですね。
使うときは有塩・無塩の違いだけ間違わないように気をつけましょう。

有塩バターはうまみプラスの王様で、ちょっぴりでも存在感抜群です。
焼きいもやマフィンにのせる
ココアに落とす
北海道では「たまごかけごはん」より「バターごはん」が身近です。
お茶碗にほかほかの白いご飯をよそい、バターをひとかけご飯の中にぎゅっと押し込んで溶かし、かき混ぜてご飯の粒々にバターがいきわたったらお醤油をタラリ。最高ですよ!

参考資料:
ミルクのサイエンス(社団法人全国農協乳業プラント協会)
牛乳がわかる50問(社団法人日本酪農乳業協会)
別冊medicalASAHI 牛乳の成分とその機能を知る(一般社団法人Jミルク)
乳と乳製品のQ&A/国産バター・生クリームハンドブック(一般社団法人日本乳業協会)

 

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