乳製品は、使いやすい乳製品に“置き換え”できるススメ【乳脂肪編】

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生乳100%の牛乳は、さまざまな乳製品に形を変えるため、乳の成分のうち必要なところだけをピンポイントで活用することも可能なのです。この仕組み、一度理解すればとってもカンタン!
今回は牛乳からチーズとバターを比較解説します。

乳製品はすべて牛乳(生乳)が原料です

牛乳の成分はおもに「水分」、良質なアミノ酸に変わる「たんぱく質」、「脂質」、整腸作用に必要な「炭水化物(糖)」、「ビタミン・ミネラル」です。
水分と脂質が分離せずに混じりあった状態で、手軽に摂れます。しかも栄養素密度が高いため使わないのはソンです。そして牛乳の栄養的メリットをもらさず活用するために、成分や特徴に特化し保存しやすくさせたものが乳製品です。

牛乳をかためて保存しやすく:プロセスチーズ

持ち歩けて便利

酵素などで発酵させて固化したプロセスチーズは発酵がとまっており「ナチュラルチーズ」とは別モノです。チーズの種類にもよりますが、チーズひとつに10~14倍の牛乳が使われるため栄養素はみっちりつまっています。個包装されているのものも多く、持ち歩けるのが便利でおすすめです。

  • 長い会議の途中で休憩時に
  • 食間、運動後の空腹時に
  • 育ち盛りの子供の部活の前後に

活用方法

  • ハンバーグやミートボールなどの「ひき肉だね」や、お肉で巻いて焼く中心に
  • おにぎりダネに(北海道では昔からおかかじょうゆ等と合わせてます)
  • キュウリやトマトのグリーンサラダや、じゃがいもやさつまいも、かぼちゃサラダの具に
  • 発酵食品同士は合います。納豆に混ぜたり、キムチの辛みをマイルドにしたり、お味噌汁の仕上げなどに

牛乳を切片状にして使いやすく:シュレッドチーズ

砕かれていて冷凍もOK

砕かれて切片状になっているのでプロセスチーズよりも小さく、料理にはいろいろと使いやすいです。小分けにして冷凍し、冷凍のまま料理に投入して加熱すればチーズのコクがプラスされます。納豆やキムチに追加したり、味噌汁などの発酵食品とも相性が良いです。

  • 野菜炒めの仕上げや、パスタ料理ののトッピングに
  • きんぴらごぼうなど「和食のおかず」のアクセントに
  • 生春巻きやタコス、サラダ巻きなどの具に
  • スープ・汁物・カレー等へそのまま投入
  • ホワイトソースに混ぜてさらに濃厚に
  • お好み焼きやたこ焼きの生地に混ぜる
  • カップめんに足す
プラスチック容器のパルメザンチーズは

プラスチックの筒に入ったパルメザンチーズは、粒でパラパラとほぐれた状態を維持するため、セルロース(結着防止剤)をまとっています。

牛乳をコッテリ濃縮して塩で保存しやすく:バター

天使と悪魔が一度にささやく有塩バター

牛乳からバターを作ると5%にしかならないほど濃縮されており、うまみプラスの王様です。加熱したときの独特ないい匂いは、乳脂肪が理由です。食用油脂のなかでは最も消化が良くエネルギーとして使われやすいため、高齢者の栄養補給におすすめです。ちょっぴりでも存在感抜群。
常温に置き、柔らかくなったところを泡だて器などで力いっぱいペーストにすれば粘りがでて「かためのクリーム」に近づきます。発酵バターは、クリームを乳酸菌で発酵させたものが多いので、「兄弟」のような関係ですね。

活用方法

  • 焼きいもや温めたマフィンにのせる
  • ココアにひとかけ落とす
  • 蒸し料理、温野菜などの仕上げに
  • 鍋料理をたべる時のポン酢に
  • つくねや焼き鳥などの醤油ダレにプラス
  • ほかほかのごはんに沈めてかきまぜ、仕上げに醤油をタラリ!
    ※北海道では「たまごかけごはん」より「バターしょうゆごはん」が身近です。

有塩バターは味を締めてくれますが、お料理全体の味にかかわります。塩分コントロール中の方などは有塩・無塩の違いに気をつけましょう。

参考資料:【乳たんぱく編】【乳脂肪編】ともに
ミルクのサイエンス(社団法人全国農協乳業プラント協会)
牛乳がわかる50問(社団法人日本酪農乳業協会)
別冊medicalASAHI 牛乳の成分とその機能を知る(一般社団法人Jミルク)
乳と乳製品のQ&A/国産バター・生クリームハンドブック(一般社団法人日本乳業協会)