ルーズバーン・フリーバーン牛舎(ぎゅうしゃ)| 室内で放し飼いに近い飼養ができる牛舎スタイル

「ルーズバーン・フリーバーン牛舎(ぎゅうしゃ)| 室内で放し飼いに近い飼養ができる牛舎スタイル」のアイキャッチ画像

牛が自由に歩け、脚にもやさしい。休息は好きな場所にごろ寝するスタイル。

フリーバーン牛舎に近い様式

「ルーズバーン牛舎」とは、日本では主に「フリーバーン牛舎」と呼ばれている牛舎様式です。「loose」とは「放つ」や「自由」を、「barn」は「小屋」を意味するとおり、牛が自由に歩き回れる放し飼いタイプの牛舎です。
「フリーストール牛舎」も牛が歩き回れるタイプの牛舎ですが、それと異なるのは「ルーズバーン牛舎」には、個々に区切られたストール(ベッド)のスペースがないこと。「ルーズバーン牛舎」の牛たちは、それぞれ牛舎内の好きな場所に横になり、雑魚寝の様相で休息をします。でも、自分が座る場所はだいたい決まっている?

居心地の良い牛舎にするために

好きな場所に横になるので、どこでもベッドになるようクッション性の良い床表面にする必要があります。なので「ルーズバーン牛舎」の床にはおがくずなど大量の敷料が入れられています。この敷料コストがかさむのが「ルーズバーン牛舎」の最大の難点ですが、ふん尿が混ざったおがくずは堆肥化しやすく、できた堆肥をふたたび床に戻すことでリサイクル&コストダウンも可能です。

建築コストも軽く、メンテもしやすい

ほかにも利点はあります。ストール(ベッド)を設けない分、「フリーストール牛舎」よりも建設費用が安く済むことです。ストールがないのでショベルローダー等の機械が入りやすく、除糞作業の省力化も図れます。そして何より、床に深いおがくず等を入れているので、牛が滑ってけがをすることが少なく、脚やひづめに負担をかけにくいことなどが注目されています。

その反面、休息時に乳房が直接床に接地するため、牛が乳房炎にかかるリスクは高まります。そのため「ルーズバーン牛舎」の牧場主は、牛たちの健康管理にひときわ気をつかっています。