雌(めす)の乳牛にとって乳牛牧場は、乳を出す「職場」なのです
女子の集まり 乳牛牧場
気付いてみれば当たり前のことですが、現在、日本の乳牛牧場で飼養されている牛は雌牛(めうし)がほとんどです。
産まれてすぐの雄(おす)の仔牛はいますが、だいたいの場合、生後1カ月くらいで売られてしまいます。また、まれに同一牧場内で雄牛(おうし)も飼育し、自然のままに交配させている牧場もありますが、それは希少な存在です。
乳牛のほとんどは白黒模様のホルスタイン
牛舎内の牛、牧場敷地内の運動場や道路沿いの放牧地で見かける牛。みな、乳を出すことを役割とする雌牛たちなのです。
現在日本にいる乳牛のほとんどは白黒模様のホルスタイン種ですが、薄茶色のジャージー種も1割程度飼われています。
みな乙女であり、お母さんであり、働く女性
いずれも大きな体ですから、つい女子であることを忘れてしまいますが、みな乙女であり、お母さん。雌だけの職場で暮らし、毎日「乳を出すお仕事」を続けています。
そして、どこの牧場でも、牧場主やスタッフらはこう言います。 「牛は利口だよ。ちゃんと自分の仕事を理解している」。
そうか。みんな働く女性なんだね!
餌をモリモリ食べて、出してくれた乳は使命の成果なんだ。
そう思ってみると、パックの牛乳を一杯飲む時にも、どこかで働いているであろう見ず知らずの牛たちに、「お疲れさま」の気持ちが湧いてくるのです。