1:日本の「食料自給率」は38%。世界と比べて極端に低くない?|よく噛んでみた“食料自給率”

「1:日本の「食料自給率」は38%。世界と比べて極端に低くない?|よく噛んでみた“食料自給率”」のアイキャッチ画像

このままいくと日本人は、将来食べるものが減って困るかもしれない

今日のお昼は何を召し上がりましたか?パスタ?牛丼?それとも鯖の味噌煮定食かな・・・。
そのランチメニューに使われていた食材は、国産でしたか?輸入品?それとも不明?

そもそも「食料自給率」とはなんだろう?

日本の「食料自給率」が低いらしい、将来のことを考えたら不安だ、そういう話を少なからず耳にしたことがありますよね。では、自分が日々食べている目の前のものはどこから来たのか、どのくらい日常的に考えてみていますか?これは、子育て中のお母さんだけに与えられた使命ではなく、毎日食事をしている人ならば誰にとっても大切なことです。

食料自給率とは「国内の食料消費が、国産でどのくらいまかなえているかの指標」

自給率とは「国内の食料消費が、国産でどのくらいまかなえているかの指標」です。
最新の情報は2018年(平成30年)の概算(速報)値で38%と発表されています。低いですね。これにはいろんな意見があることでしょう。例えば

  • 「このままいくと日本人は、将来食べるものが減って困るかもしれない」
  • 「狭い国土で食料生産全部をまかなうのはそもそも無理だから、諸外国から輸入すればいい」
  • 「生産者が減っても、人口も減っていくのだから、自然とつじつまが合うはず」
  • 「世界レベルで自然災害が増えており農業にはリスクがある。生産できた外国から買う方が合理的」

などなど。これらのご意見はどれも間違いではないと思います。

そして改めて書きますが、自給率って「どのくらい作れているか」ではなくて「消費をどのくらいまかなえているか」なんですね。これも気になるポイントです。

世界主要国の食料自給率は、どうなの?

日本の自給率について何が問題なのか、そこに行く前にひとまず世界の自給率を見てみましょう。日本の38%と同じ計算方法で算出された、全て農水省の同一資料から引用した最新のデータです。(2018年12月)

  • アメリカ…130%(2013年)★
  • カナダ…264%(2013年)★
  • ドイツ…95%(2013年)★
  •  スペイン…93%(2013年)
  • フランス…127%(2013年)★
  • イタリア…60%(2013年)★
  • イギリス…63%(2013年)★
  •  オーストラリア…223%(2013年)
  •  ノルウェー…49%(2016年)
  •  韓国…39%(2016年)
  •  台湾…31%(2016年)

★は「世界主要7か国(いわゆるG7)」

どうでしょうか?
カナダの200%超ってすごいですね、それだけ作れれば、外国に売りたくもなりますよね。アメリカもなんだかんだで130%です。みんな、何も言わないけど、ちゃんと作っているんです。

ご近所さんの国々も負けず劣らず、ビックリするほど低い

数値が高い国は決して偶然ではない

驚いたのは、アジア圏である日本と韓国、台湾は極端に低いこと。いずれも30%台です。
欧州ではイタリア、イギリスが低いですが、それでも60%を超えています。
ちなみに日本で自給率が60%台だった頃は、1966年からの数年(昭和40年代)です。世界のニュースを見ているだけでは気づきにくいですが、数値が高い国は決して偶然なのではなく、先進国と呼ばれるほとんどの国であり、それらの国々は自国民が飢えずに済むような施策を言わずとも実行しているということなのでしょう。

食はヒトの心と体をつくる基本

ひるがえって、日本の現状はどうでしょうか?私は、国民がそれぞれの立場で毎日汗して一生懸命働いているなかで、食べものへのぼんやりとした不安を抱えながら暮らすのは避けたいです。無関心のまま、なんとなく過ごしちゃってて、いいの?

食は人の体をつくる基本です。私たちの視点をどこに持って行けば、生産者の活動に活かされ、それが消費者に還元されるのか。牛さんにならって、いろいろ“咀嚼”していきたいと思っています。
次回は日本の自給率について、もう少し詳しくご紹介します。