乳牛はたくさん水を飲むと、たくさん食べられる。乳量も増える
乳牛は1日に100リットル前後の水を飲みます
乳牛は水をよく飲みます。特に乳を出す搾乳牛は1日に100リットル前後の水を飲み、夏は200リットルほども飲むといわれています。ですからどの牧場も、牛がいつでも十分に水が飲める「水槽」を牛舎や放牧地に設置しています。
搾乳した後や飼料を食べた後などは、どの牛も水を飲みたがり、一斉に水槽へと集まってきます。そんな時もみなが同時に水を飲めるよう、飲み口の広さを考えて設計されているので安心です。写真は放牧地の水槽。牛は首を下げて水を飲むので飲み口は低い位置にあります。
牛だって、きれいな水を飲みたい
牛たちは口の周りによだれやエサをつけたまま水槽に口をつけるため、水槽の水は汚れやすいもの。ある牧場主が言っていました。「手間はかかるけど、こまめに水槽を洗ってきれいな水をためてやるようにしたんだよ。そうしたら、もっと飲むようになった。牛もきれいな水を飲みたいんだよね」
牛はたくさん水を飲めばそのぶん採食量が増えて健康を維持できます。そして出す乳量も増えます。特に夏は熱中症予防のためにも十分な飲水は大切。きれいでたっぷりの水がある水槽は大事なアイテムなのです。
さまざまな性能を備えている水槽
そのためさまざまな性能を備えた水槽があります。減ったら自動で給水されるタイプもあれば、暑い夏になるべく水がぬるくならないよう断熱材を使っていたり、冬は水が凍結しないようヒーター装備の水槽もあるようです。
ちなみに、つなぎ牛舎には水槽を置けないので、個室の枠に小型の給水器(ウォーターカップ)が取りつけられています。飲みたい時に鼻先でレバーを押すと水が出てくる仕組みです。